オウガ・思い出

オウガの思い出とボイス

思い出1

オウガ

来たぜぇ！！

キャトラ

どわぁ！　って、オウガ！？

オウガ

ここがオマエらのアジトか。

いいとこに住んでるじゃねえか！

キャトラ

なんでここにいるのよ。

シャルの国と戦争してたんじゃ？

オウガ

へっ、戦争なんざ百害あって

なんとやらだ。知ったことかよ。

オウガ

ところでよ。オマエら冒険家を

やってるって言ってたよな？

アイリス

はい、そうです。

オウガ

目的は、お宝か？

キャトラ

お宝も好きだけど、あたしたちは

目指してる場所があるのよ。

オウガ

そりゃお宝よりも価値の

あるもんなのか？

オウガ

……ほう。

急に目つきが変わったな。

それだけの覚悟があるってわけか。

オウガ

はっ、おもしろそうじゃねえか！

おし！　オレも一緒に連れてけや！

キャトラ

ええ！　アンタが！？　なんで？

オウガ

オマエらからは、なんかデケェこと

やらかすニオイがすんだよ。

これを見逃す手があるか？

キャトラ

クンクン……さっき食べた

カニカマのニオイしかしないけど。

オウガ

細かいことは気にすんなや！

オレたちは＜同胞＞じゃねえか。

キャトラ

ま、別にいいんだけどね。

歓迎するわよ、オウガ。

アイリス

よろしくおねがいしますね、

オウガさん。

オウガ

おう！　よろしくたのむわ！
嬢ちゃん、キャト公！
それから――赤獅子よう！

キャトラ

赤獅子ぃ？　なによそのあだ名。

オウガ

前から思ってたんだよ。

オマエにはオレと同じ

獅子の魂を感じるぜ。

オウガ

つーわけで、今日からオマエは、

このオレ＜金獅子＞の弟分だ！

オウガ

オマエが一人前の獅子
なれるよう鍛えてやっからよ！
ガハハハハハ！

アイリス

よかったわね、主人公。

キャトラ

がんばってねぇ。赤獅子さん

思い出2

キャトラ

なに、この荷物の山は。

えーっと、化粧品に日焼け止めに

洗顔料に香油に……って、多すぎ！

オウガ

お、わりぃわりぃ！

それ全部オレが頼んだやつだわ。

キャトラ

はぁ！？　アンタが使うのコレ？

オウガ

そうだっつってんだろ。

なんかおかしいかよ？

キャトラ

だって……ねぇ？

オウガ

＜めんずけあ＞ってやつだよ。

真の漢は力だけじゃねえ。

見た目も鍛えるもんだ。

オウガ

たとえばそうだな……

ちょいとオレの髪さわってみな。

キャトラ

どれどれ……わぁ、フサフサ！

しかも意外とツヤツヤ！

オウガ

そうだろ、そうだろ。

だが地肌も並じゃねーぜ？

ほぅれ！

キャトラ

って、そっちはムキムキ

マッチョなだけじゃ……

アイリス

！　よく見てキャトラ。
肌にシミが……ひとつもないわ！
それにとってもハリがある！

オウガ

驚くのはまだだぜぇ！
＜めんずけあ＞を極めた
オレの最終奥義が……これだ！

キャトラ

でたー！　お得意の女装！！

オウガ(女装)

どうだ、キレイだろ？

これが＜めんずけあ＞の力だぜ！

アイリス

なるほど……！

キャトラ

なんかもう女装っていうより

変身ってかんじだけどね……

オウガ

まったく罪深えよなぁオレ。

美男にも美女にも

なれちまうんだからよ！

キャトラ

ナルシストね。

オウガ

はっ、なんとでも言えや。

キャトラ

でもさ、その胸の傷だけは

どうしようもないわよね。

オウガ

ウオォォオオ――！！

キャトラ

ぎゃあ！　な、なによいきなり！

オウガ

それ以上、言うんじゃねえ！
このキズのことはなぁ！
オレが一番わかってんだよ！！

オウガ

せっかくの美肌がよぉ！
こいつのせいで台無しなんだよぉ！

キャトラ

で、その傷はどうしたの？

名誉の負傷とか？

オウガ

……ガキの頃に木から

落ちたんだよ。

ケッ、笑いたきゃ笑えや。

キャトラ

プッ。

オウガ

笑うんじゃねえ！！

キャトラ

どっちよ！！

思い出3

オウガ

おう！　赤獅子いるか！！

オウガ

ちょいと外へ出るぞ。ついて来い！

キャトラ

ちょっと、一体どこ行くのよ！

オウガ

前に言ったろうが。

オレがコイツを一人前の

獅子にしてやるってな。

キャトラ

……なんか心配だから、

アタシもついて行くわ。

アイリス

わ、私も！

オウガ

ようし、準備ができたら出発だ！
行くぜ！　オマエら！！

オウガ

罠は避けるな！　あえて踏め！
死ぬ寸前まで自分を追い込めや！

オウガ

グンタイバチが100匹ほどか。

おし、コイツら全部、撃ち落とせ。

オウガ

なに、毒が怖いだと？
んなもん、くらってるうちに
免疫つくだろ！　いいからやれ！

オウガ

魚は素手で捕まえろ。
水中に全神経を集中させて
魚影を見つけりゃあできる！

オウガ

ちなみにこれ、オマエの晩飯な。

できなきゃメシ抜きだぞ。

オウガ

どうよ、赤獅子。

死ぬ気で獲った魚は

死ぬほどウマイだろ？

キャトラ

大変だったわね、

主人公……

アイリス

でもなんか、前より

たくましくなったかも？

オウガ

これが＜荒野の民＞の生き方だ。

オレたち一族は、ン百年くらい

ずっとこんな暮らしをしてる。

キャトラ

つらくないの？

オウガ

悪いことばかりじゃねえぜ。

あちこち開拓して領土も広がった。

屈強な戦士たちも多く育った。

キャトラ

で、オウガが一番強いってわけね。

オウガ

おうよ！　＜金獅子＞の名は
伊達じゃねえぜ！

オウガ

ま、そんなことより今はメシだ！

おら、赤獅子、もっと食って

肉つけろや！

キャトラ

アタシもいただきまーす！

アイリス

いただきます。

思い出4

シャルロット

＜金獅子＞！　覚悟ぉ――！！

オウガ

うおっ！　っぶねぇ！！
いきなりなにしやがる！

キャトラ

シャル！　気でも狂ったの！？

シャルロット

ふふん、これを見てもまだ

そんなことが言える？

シャルロットは、オウガの似顔絵と
とてつもない額の懸賞金が
書かれた紙を掲げてみせた。

シャルロット

あんたが超S級の賞金首だなんて

知らなかったわー。いやぁ～、

いいコト聞いちゃったなー。

オウガ

で、オレの首をとろうってか？

シャルロット

こんだけお金もらえたら、

牛肉もスイーツも好きなだけ

食べられるしねぇ。

アイリス

シャルさん！　オウガさんは

私たちの仲間なんですよ？

シャルロット

あーあー聞こえない聞こえなーい。

キャトラ

ダメだ……この御子……

ダメすぎる……！！

シャルロット

お金ぇ……牛肉ぅ……スイーツ！
うおおお、往生せいやぁ――！！

オウガ

…………（息を吸い込む）

オウガ

ルオォォォァア！！

シャルロット

どわぁ！？

オウガ

スキありだオラァ！

シャルロット

ごっふぁ！

オウガ

熱くなりすぎだバカが。

脇がガラガラで話になんねえぞ。

シャルロット

きゅう～……

オウガ

おい、赤獅子。

コイツを縛り上げるから手伝え。

アイリス

あの、あまりひどいことは……

オウガ

ちょいとお仕置きするだけだ。

『オレたち』のやり方で、な。

オウガ

よし、あとは命綱で結んで、と……

ククク、準備完了だ。

キャトラ

へ？　命綱？

オウガは気絶したシャルロットを
抱え上げると――

オウガ

そぉいやっ！

飛行島から放り投げた！

アイリス

きゃああ！　シャルさん！！

キャトラ

オ、オウガ！　アンタなんてこと！

オウガ

バーカ、よく見ろ。

ちゃんと吊るしてあんだろうが。

シャルロットをつなぐ命綱は、
飛行島の大木にしっかりと
くくりつけられていた。

オウガ

オレらの間じゃ、悪さしたガキは

こうやって崖や谷に

吊るして反省させるのさ。

キャトラ

うへぇ、こりゃトラウマもんね……

シャルロット

ぎにゃあああああああ！！

オウガ

お、シャルのヤツ、

目が覚めたみてえだな。

思い出5

シャルロット

おいこら、＜金獅子＞！

オウガ

あぁ～？　まーたオマエか。

懲りねぇヤツだな。

シャルロット

ちょっと、グダってる場合？

あんたんとこの連中、

やばいことになってるじゃん。

オウガ

あ？　なんの話だ？

シャルロット

だーかーらー！

シャルロット

ルクサントが、あんたら蛮族に
総力戦をしかけて、全面戦争に
なってんだってば！

キャトラ

ええ！　ちょ、なによそれ……

オウガ

……本当か？

シャルロット

たぶん、あんたがいないことが

ルクサントに知られたんじゃない。

タイミングよすぎるし。

オウガ

チッ、姑息なことしやがる。

シャルロット

あー……やっぱ行くわけ？

オウガ

んだよ、『元』ミコサマ。

まさか止めるってんじゃ

ねえだろうな。

シャルロット

うん、まあ……御子はやめたけど、

別に裏切ったわけじゃないしさ。

オウガ

フヌケたこと言ってんじゃねえ、

こっちはテメーらの国に

攻め込まれてんだぞ。

オウガ

荒野では強者だけが生き残る。

だからオレらは迎え撃つ。

そして叩きのめす。それだけだ。

シャルロット

ちょ、そんなマジにならないでよ。

他に方法とかないわけ……？

オウガ

あるなら教えてくれや。

ねえならさっさとどけ、邪魔だ。

シャルロット

……おい、こっちは親切心で

言ってるってこと忘れんなよ。

オウガ

ああ、やんのかテメー。

シャルロット

ケッ、脳筋の蛮族ごときが

あたしに勝てると思ってんの？

オウガ

……上等じゃねえか。
まずはテメーからぶっ倒す！

キャトラ

アンタたち！
いいかげんにしなさい！

アイリス

今は喧嘩してる場合じゃ

ないですよ！

オウガ

どけ、今はオマエらの相手を

してる場合じゃねえ。

シャルロット

ちょっと邪魔すんなし！
一緒に斬られたいわけ？

オウガ

赤獅子？　オマエ、なにを……

思い出6

オウガ

コイツは……！

オウガ

赤獅子……この光が、

オマエの獅子の魂なのかよ。

オウガ

……あー、やめだやめだ！

キャトラ

オウガ……？

オウガ

オレとしたことが、うっかり

冷静さを欠くところだったぜ。

オウガ

同胞の同胞を斬るなんて

胸クソわりぃことできるかっての。

シャルロット

あんた……

オウガ

シャル、ちょいと手ぇ貸せや。

わりぃが面倒とは言わせねえぞ。

シャルロット

……ま、言い出したのは、

あたしだし、別にいいけど。

キャトラ

どうする気なの、オウガ？

オウガ

オレにしかできないやり方で

戦を終わらせるってだけさ。

…………

……

ルクサント騎士

陛下、御子様の使いを名乗る＜娘＞が

謁見を望まれております。

ルクサント国王

御子の使い……本当なのか？

ルクサント騎士

はっ、確かに御子様の書状を

持っておりました。

ルクサント国王

……よかろう、通せ。

ルクサント国王

おお、なんと美しい娘だ。

御子の使いよ、もっと近くに……

オウガ(女装)

言われなくても行ってやるぜ。

ヒゲの爺さんよ。

ルクサント国王

き、貴様は＜金獅子＞！
そんな、馬鹿な……ありえん！

オウガ

こうでもしなきゃ会って話すことも

できねーからな。

オウガ

つーわけで、質問に答えろ。

なぜオレたちに戦を仕掛ける？

ルクサント国王

……我が国が魔物の脅威に

さらされていることは

知っていよう。

ルクサント国王

騎士団は疲弊し、ルクサントの

治安と財政は悪化の一途だ。

このままでは国が滅ぶ。

オウガ

で、領土を拡大するために

オレらの領地を奪おうってか。

ルクサント国王

そうだ。ゆえに貴様らに屈する

わけにはいかんのだ！

国の未来のためにもな。

オウガ

ククク……ハハハハ！
そうか、そういうことかよ！

ルクサント国王

なにがおかしい！
我が国を愚弄するか！！

オウガ

これが笑わずにいられるかよ！

オウガ

いいぜ、ヒゲ爺！　その魔物ども、

オレが狩ってやろうじゃねえか！

ルクサント国王

なんだと……？　蛮族が

我らに協力するというのか？

オウガ

おっと勘違いするなよ。

代わりにテメーには

やってもらうことがある。

ルクサント国王

兵を退き、不可侵の協定を

結べ、ということか。

オウガ

そういうこった。

ルクサント国王

……貴様を信用してよいのか。

オウガ

我が獅子の魂に誓おう。

ルクサント国王

…………

ルクサント国王

……兵は今すぐ退かせよう。

おって使節を送る。

オウガ

そうしてくれや。

ルクサント国王

ひとつ聞かせてくれ。

オウガ

ああ？

ルクサント国王

貴様ほどの武勇を持つ男なら、

力で解決することも

できたはずだ。

ルクサント国王

なのに、なぜこのような

まわりくどい真似をする？

オウガ

けっ、そんなことかよ。

いいか、よく聞けよ、ヒゲ爺。

オウガ

オレはオレのやりたいようにやる！
それが荒野に生きる＜金獅子＞の
生き様だからよ！

ボイス

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