キララ・思い出

キララの思い出とボイス

思い出1

？？？

あ、あの……

？？？

ここに＜ホームラン＞は

ありませんか……？

キャトラ

＜ホームラン＞？　なんのこと？

それにその服と持ってる……棒？

それってなに？

？？？

あの……えっと……

アイリス

一度に質問しすぎよキャトラ。

ごめんね、私はアイリス。

それにキャトラと

主人公よ。

キララ

あっ、私こそごめんなさい。

私はキララっていいます。

アイリス

＜ホームラン＞って、初めて聞く

言葉だけど……どんなものなの？

キララ

それがよくわからないんです……

でも、見つけなきゃいけないの……

キャトラ

よくわからないモノを探すって

いっても、ねぇ。

キララ

ごめんなさい……でも、この島は

いろいろな場所から人が

集まってるって聞いたから、

何かわかるかも……って思って。

キャトラ

そうね、ここなら誰か知ってるかも。

アタシたちも何かわかったら

教えてあげるわ。

キララ

あ、ありがとうございます！

キャトラ

で、その服とかも初めて見るけど

それはなに？

キララ

えっと……これは＜学ラン＞と

＜バット＞っていうもので……

キララ

私が学校に入学する時にお父さんが

くれたんです。

アイリス

学校のある島から来たのね。

＜学ラン＞は制服かしら？

キャトラ

＜バット＞？　は武器かな？

キララ

これは何かを打つためのもの、

って聞きました。

キャトラ

あー、それで釘が

打ち付けられているのね。

キララ

はい。

この方が強くなるかなと思って。

キャトラ

ちょっと凶悪な気がするけど……

いいの？

思い出2

キララ

＜ホームラン＞、見つけました！

キャトラ

やったじゃない！

アイリス

おめでとう、キララちゃん！

キララ

よかった、これでお父さんも

喜んでくれます！

キャトラ

それで、＜ホームラン＞って

なんだったの？

キララ

これです！

キララが両手で抱えていたものは、
頭くらいの大きさの
白い玉だった。

キャトラ

これが……＜ホームラン＞？

キララ

はい！　くだもの屋さんで

売ってました！

アイリス

ということはこれ、

くだものなのかしら？

キャトラ

ねえ、店で売ってるものって

別にめずらしいものじゃ

ないんじゃないの？

キララ

そ、そう言われてみると自信が……

アイリス

お父さんは

『＜ホームラン＞が見たい』

って言ってたのよね？

キャトラ

くだものを『見たい』って

言うかな……くだものは

食べたいじゃない？

キララ

私もそう思ったんだけど……

ヘレナ

あら、おいしそうなメロンね。

アイリス

ヘレナさん！

キャトラ

……ん？　今ヘレナ、

『メロン』って言わなかった？

ヘレナ

えぇ。これは

<ホームランメロン>っていう

名前なのよ。

キララ

じゃ、じゃあこれは

＜ホームラン＞とは違うの……？

ヘレナ

そうね……これはメロンだから。

キャトラ

まぎらわしい名前のメロンね！

アイリス

ヘレナさん、＜ホームラン＞って

どういう意味なんでしょう？

ヘレナ

うーん……それはわからないわ、

ごめんなさいね。

キララ

違ったんですね……

アイリス

キララちゃん、そんなに

気を落とさないで。

私たちも一緒に探してあげるから。

キャトラ

よし、気分を変えるために

このメロンは食べるわよ！

キララ

……メロン、おいしいといいな……

思い出3

アイリス

どうしたの？

主人公。

キャトラ

あ、アイリス！

向こうから誰か走ってくる！

キララ

来ないでー！！

アイリス

あれは……キララちゃん？！

キララ

はぁ……はぁ……

アイリス

どうしたの？！　何かあった？！

キララ

はぁ……知らない人に……

『＜ホームラン＞はどこだ！』

って聞かれて……

キララ

知らないって言っても

しつこく聞かれるから、

怖くなっちゃって……

キララ

このバットを振り回して

逃げてきたの……

アイリス

怪我はないのね、

よかった無事で……

キララ

……あっ！

キャトラ

今度はなに？！

キララ

『振り回して』、『逃げて』……

キララ

……＜振り逃げ＞！

お父さんが言ってた！

アイリス

それは＜ホームラン＞と関係が

ある言葉なのかしら？

キャトラ

お父さんが言ってたのなら、

きっとそうよ！

アイリス

それに、私たちの他にも

＜ホームラン＞を探す人が

いるなんて……

キャトラ

最近知らない人をよく見かけると

思ったけど、＜ホームラン＞の

情報を探っていたのね……

キララ

そんな！　ダメだよ！

＜ホームラン＞は私が……

お父さんに……

アイリス

ええ、だから私たちで

見つけましょう！

キララ

うん！　ヒットを狙っていこう！

思い出4

キャトラ

＜ホームラン＞に関する噂、

広まってるみたいね……

アイリス

この前のキララちゃんの時の

ように、興味を持つ人が

増えてるのかもしれないね。

キャトラ

アタシが質問したら逆に

「アンタたち何か知ってるの？」

って言われたりするしね。

アイリス

『＜ホームラン＞を手にすれば

何でも願いが叶う』っていう

話をしている人もいたわ。

キララ

私、この前

『俺には＜アベックホームラン＞が

必要なんだ！』って言ってる人を

見かけたけど……

アイリス

どういうことなのかしら？

キララ

わからない……もしかしたら

私たちよりも＜ホームラン＞に

詳しい人がいるのかも……

キャトラ

アタシたちも負けてられないわね！

キララ

そうだね！　最後まで諦めちゃ

ダメだ、ってよく

お父さんも言ってた！

キャトラ

でも最近新しい情報は

ないのよね……

アイリス

キララちゃん、お父さんが何か

ヒントを残してくれてたり

しないかな？

キララ

えっ？　うーん……

お父さんからもらったのは

この服とバット……

キララ

バットは何かを打つもの。

釘を打ったけど……

釘じゃないのかな……？

アイリス

バットで打つ……？

そういえば『＜ホームラン＞を打つ』

って誰かが言っていたような……

キャトラ

えっ？　＜ホームラン＞って

打つものなの？

アイリス

どうなんだろう……ボールみたいな

ものなのかな？

キララ

＜打つ＞……＜バット＞……

＜ホームラン＞……

キララ

それに＜振り逃げ＞……

キララ

何だろう……答えに近いような、

遠いような……

ううう……

キャトラ

焦っちゃダメよキララ。

こういう時こそ落ち着いて！

キララ

……そうだね、たぶん

＜ホームラン＞は近くなってる。

確実に打線をつなげていこう！

思い出5

キララ

はぁ……どうしよう……

アイリス

キララちゃん、やっぱり

見つからない？

キララ

うん……それもあるけど……

アイリス

何かあったの？

キララ

お母さんから手紙が届いたの。

お父さんの容態がよくないって……

アイリス

それは大変！

早く帰ってあげなきゃ！

代走できる人はいないのよ！

キララ

でも……あと少し……あと少しで、

＜ホームラン＞が何なのか、

わかる気がするの……！

キララ

今帰ったら、＜ホームラン＞が

他の人に取られちゃうかも……

敬遠なんてしたくない……

キララ

＜ホームラン＞を

見つけられなかったら、

お父さんがっかりしちゃう……

まだサインは出てないの……

アイリス

そんなことないと思うよ。

キララちゃん頑張ったじゃない。

キャトラ

そうよ、ストライクじゃなくても

諦めずに粘ってたじゃない。

キララ

お父さんの容態は心配だから、

早くホームに戻りたい……でも……

キララ

お父さんに……＜ホームラン＞を

見せてあげたいの！

アイリス

それはわかるけど……

キャトラ

大丈夫、＜ホームラン＞を探すのは

アタシたちに任せなさい！

キララ

……

キララ

……＜ホームラン＞は、私が

見つけて……私がお父さんに

渡してあげたいの……

キララ

だって、お父さんと約束したの……

お父さんに＜ホームラン＞を

見せてあげるって……

アイリス

キララちゃん……

キララ

私は……

バックホームするべきなの？

教えて、お父さん……

思い出6

キララ

この光は……もしかして……

これが＜ホームラン＞……？

キャトラ

主人公、

アンタが持ってたの……？

キララ

ううん、これは＜ホームラン＞じゃ

ないよ。でも、この光の

おかげでわかったことがあるの。

キララ

＜ホームラン＞を探す

チャンスはまだある。

だって、勝負は9回まで

わからないから！

キララ

お父さんに会ってから、

また探せばいいよね？

キャトラ

そうね。早く帰って

安心させてやりなさいな。

アイリス

戻ってくるの

待ってるからね、キララちゃん。

キャトラ

それまでに、アタシたちが

＜ホームラン＞の場所、

突き止めてあげるわ。

キララ

うん！　みんなありがとう！

――数日後――

キャトラ

主人公！

キララから手紙が届いたわ！

キララ

――みなさんこんにちは。

キララです。

お家から手紙を書いています。

キララ

帰ったらお父さんお母さんは

すごく喜んでくれました。

キララ

『まさかお前がホームスチールを

決めるなんてな』って、お父さんは

驚いていました。

キララ

お父さんの病気はかなり

良くなりました。今では私と

キャッチボールができるくらいに

なっています。

キララ

あ、お父さんが『お前の顔を

見られることが、私にとっての

＜ホームラン＞だよ』

って言ってました。

キララ

＜ホームラン＞が何だったのか、

私にはよくわかりませんが、

これでよかったのかな？

キララ

もう少ししたら飛行島に戻ります。

またよろしくおねがいします。

アイリス

キララちゃんも、お父さんも

元気そうでよかったね。

キャトラ

＜ホームラン＞……

随分振り回されたわね、

アタシたち……

ボイス

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