シャロン・思い出

シャロンの思い出とボイス

思い出1

シャロン

やあ、僕はシャロン。

ある国の王女であり剣士だ。

お世話になるよ！

剣を腰にたずさえた少女が
凛として名乗る。

シャロン

武者修行の道中でね。

戦いの気配あらば、

この剣の冴えをお見せするよ！

アイリス

はい！

ぜひ、お願いします！

キャトラ

頼りにしちゃうわよ～？

シャロン

っ……！？

キャトラ

ん？　どうかしたのぉ～？

シャロン

か……かわいい……

キャトラ

へ？

シャロン

なんて愛くるしいんだ毛並みもすっ
ごくもふもふしててさわり心地がああ
でもツンと突き出た鼻の角度もまた

アイリス

……シャロンさん？

シャロン

ハッ！

シャロン

ごめん、少しぼうっとしていたよ。

失敬した。

キャトラ

少しってレベルじゃなかったよーな

気がするけどぉ……

シャロン

ご、ごほん！とにかく、今後ともよろしく！

思い出2

シャロン

おや……鳥がたくさん来ているね。

アイリス

この島は空にあるから、飛んでいる

鳥がよく休みに来るんです。

アイリス

かわいくて、いいですよね♪

シャロン

あ……ああ、うん―――

そ、そうだね……

キャトラ

アタシも鳥は好きよ～。

……見てると、うずうずしちゃう。

シャロン

だ、だめだよキャトラくん！

シャロン

鳥はしなやかに空を飛ぶ姿が美しい
けどあのつぶらな瞳で不思議そうに
首をかしげるのが特にキュートで愛

キャトラ

……シャロン？

シャロン

らしさが作られたものじゃなく自然
ににじみ出てる感じでたまらなくて
あああもうどうしたらいいのー！？

シャロンは、ほわんとした表情で
悶えている。

キャトラ

いや、あの……

こっちがどうしたらいいんだか……

思い出3

キャトラ

アンタ、

かわいいものとか好きでしょ。

シャロン

うっ……！

そ、それは……

キャトラ

あら、キライなの？　ざんね～ん

好きなら肉球くらい触らせても……

シャロン

好きですお願いさわらせてー！！

キャトラ

ふにゃあーっ！

勢いよく突進したシャロンは、
キャトラの肉球を愛しそうに
もふもふする。

アイリス

やっぱり、好きなんですね。

隠さなくてもいいのに……

シャロン

そういうわけにはいかないよ……

シャロン

僕の国は武人の国でね、

たとえ王女であっても、

凛とした気迫が必要なんだ。

シャロン

僕も、男に負けない威厳の持ち主で

いなきゃいけない。

シャロン

かわいいものが好きとか、

そういう面は見せられないんだよ！

キャトラ

そういうマジメなことを言うなら、

とりあえず離してよぉ～！？

思い出4

シャロン

……主人公。

剣の稽古の途中で、シャロンが
ムスッとにらみつけてきた。

シャロン

最後の一閃、剣速を緩めただろう。

どうして手加減したんだ！？

アイリス

でも、そうしなかったら、

シャロンさんの顔を

剣がかすめてたかも……

シャロン

訓練で傷を負うくらい承知の上だ。

手加減されたら訓練の意味がない！

アイリス

だめですよ、シャロンさん。

とてもきれいなお顔なのに。

キャトラ

そうそう～。かわいい顔に傷なんてつけたら、もったいないわよ～。

シャロン

か、かわいい……？

僕が……？

シャロンは顔を赤くして、わたわたと慌てた。

シャロン

そ、そんなことないよ。僕なんて、

堅っ苦しいし、武術一辺倒だし……

シャロン

だ、だからその……そんなことは、

ぜんぜん……ええと……

あぅぅ……

もじもじするシャロンを見て―――
アイリスたちが思わずつぶやく。

アイリス

かわいい……

キャトラ

かわいい……

シャロン

だ、だから！
そんなことないってばぁー！

思い出5

シャロン

く……っ、ぐくくっ……！

小鳥を見つめながら、シャロンが
必死の表情で硬直している。

キャトラ

な、なにしてんの……？

シャロン

が―――がまんしてるんだ。

気が緩まないようにっ……！

キャトラ

なんでぇ～？

せっかく小鳥が寄ってきたんだから、

かわいがったら～？

シャロン

そ、そうしたいけど、でもだめだ！

それじゃ強い武人になれない！

シャロン

より強く勇ましい武人となるには、

かわいいものをがまんしないと……

キャトラ

…………。

できるの？

シャロン

あ、あうぅ……無邪気にちてちてす
るのがチャーミングでいやだめだ！

シャロン

た……耐えろシャロン！
耐えるんだ！
愛でちゃだめだー！

泣きそうなシャロンを見て、
小鳥が「？」と首をかしげる。

シャロン

だ、だめぇー！
かわいいの、やめてぇぇー！！

思い出6

シャロン

なんなの……、この光は―――？

きらきらして、すごくまぶしい……

シャロン

主人公……

君のなかに、この光が……？

アイリス

彼だけじゃないですよ。

それは、シャロンさんのなかにもある光です。

アイリス

素直な心に根差す光……

その人の持つ、あるべき光。

アイリス

その光に背を向けてしまったら……

影しか見えなくなってしまう。

シャロン

影しか……

キャトラ

素直になんなさいよ、シャロン～。

誰が暗いお姫さまに憧れると思う？

シャロン

……そう、か―――そうだね……

シャロン

僕は、武人であることに

こだわりすぎて……

自分を殺そうとしていた……

シャロン

でも、僕が臣下だったら……

そんな王族になんか仕えたくない。

シャロン

僕は、素直な自分で……

素直な自分のままで

強くなきゃいけないんだ！

アイリス

それがいいですよ、シャロンさん！

キャトラ

そうそう～。

お姫様はかわいい方が、国の人気も上がるわよぉ～？

シャロン

あ、やっ、だから、僕は別に……

その、ええと……あぅ……

アイリス

かわいい……

キャトラ

かわいい……

シャロン

だからぁー！！

思い出7

シャロン

キャトラくん……

おしゃまですました横顔にいたずら

っぽく輝く青い瞳にぷにぷにの肉球

ふりふり揺れる尻尾実にプリティな

キャトラ

はあ。

シャロン

なんてかわいいんだ、
キャトラくんは！

シャロン

認めるよ……

僕はかわいいものが大好きだ！

キャトラ

ようやくその点についても

素直になったのね。

シャロン

武人とはいついかなるときも、

心を乱さぬもの。僕はそう

思っていた。

シャロン

でもちがうんだ。武人とは守る

ものがあるからこそ、強く

いられるものなんだ。

アイリス

守るものがあるからこそ……

私もそう思います！

シャロン

ぼくは守りたいんだ、
かわいいものたちを……！

思い出8

シャロン

ああ、力が溢れてくる……

僕のかわいいものを愛する

心よ……

シャロン

この僕の、新たなる剣となれ！

シャロン

ありがとう、

主人公……

シャロン

この力で僕は、守って見せる！
僕の大好きな、
かわいいものたちを！

ボイス

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