ダグラス2版テトラ・思い出

ダグラス2版テトラの思い出とボイス

思い出1

魔剣士ダグラスの物語から、
数日後のこと――

飛行島に、ドラゴンたちが訪れた。

テトラ

みんな、お疲れー！
今日は弟のペンタとー緒だよ！

アイリス

こんにちは、テトラさん。

キャトラ

おっきい弟さんね。

ペンタ

ボクは双角竜のペンタだ。

怖がらなくてもいいぞ、子猫に

子供たち。

キャトラ

元から怖がってないわ。

ペンちゃん。

ペンタ

なんだよペンちゃんって！

キャトラ

ペンちゃんお手。

ペンタ

お手っ！
……じゃない！
なにやらせるんだー！

キャトラ

なかなかカワイイ子ね。

テトラ

可愛いんだよ～。

ちっちゃなころから、

あたしのあとについてきてさ～。

ペンタ

むうー、それは本当に
ちっちゃいときのはなしだー！！

キャトラ

あらあら、微笑ましいわねえ。

アイリス

仲良しなんですね！

テトラ

ここしばらくは一緒にいるつもり。

ペンタのお姉さんとしてね。

ペンタ

テトラ一人じゃ、頼りないしな。

テトラ

そんなこといって、また

迷子になったらどうするの？

キャトラ

二人とも、今はどうしてるの？

テトラ

あたしは前と変わらない。

みんなを勝手に守って、

勝手に戦う。

テトラ

人間を傷つけるドラゴンとも

戦うし、その逆もね。

ペンタ

ボクはこの世界のことを

知るためさ。いずれオズマさんと

一緒に戦うために。

キャトラ

なるほどねぇ。

テトラ

で、まずは手始めに……
みんなを元気にしたいんだ！

キャトラ

あんなことがあった

ばっかりだもんね……

テトラ

というわけで、まずは

みんなを空の旅にご招待！

どうかな？

アイリス

乗せてくれるんですか？

テトラさん。ペンタさん。

ペンタ

……ボクは気が進まないけど、

まあ特別に、だな。

キャトラ

面白そう！　……あ、でも……

ちょっと怖そうな……

テトラ

あはは！　大丈夫だよ、ちゃんと

固定するしね！

思い出2

テトラ

ヨシュア！　ミレイユ！

元気にしてた？

ヨシュア

はい！　元気です！

ミレイユ

あたしも、元気です。

キャトラ

そりゃあ頼もしいわね！

ヨシュア

……あの、テトラさん……

テトラ

なになに？

ヨシュア

僕にもっと、ドラゴンの
ことを教えてください！

ミレイユ

お兄ちゃん、体の中にいる

ドラゴンさんとも、

仲良くなりたいって。

テトラ

……ヨシュアくん、

きみって、いい子だね。

ペンタ

ドラゴンのことを、ね……

テトラ

ヨシュアくん、エインは空を

飛ぶのが大好きだったんだって。

ヨシュア

わかります。風を感じると、

僕の中のエインが叫ぶんです。

テトラ

今日はいい風が吹いてるから、

かなり高くまで飛べると思う。

ヨシュア

空を……？

ペンタ

ドラゴンのことを知りたいなら、

飛んでみるにかぎるぜ。

テトラ

ペンタ、いま、オズマさんの

真似をしたでしょ。

ペンタ

……真似じゃねえ！
タマシーの共鳴だ！

テトラ

あははっ！　まあいいや。

ともかくあたしの前に座って、

ヨシュア君。

ヨシュア

えっ！？

ミレイユ

お兄ちゃん……？

ヨシュア

……えっと。

テトラ

怖い？　しっかり押さえてるから、

大丈夫だよ！

ペンタ

なんだよ、空が怖いのかよ。

まあボクも昔はそうだったけど。

ミレイユ

テトラさん、あたしから

お願いしてもいいですか？

あたしの中にいる子も、空が恋しい

みたいなんです。

ペンタ

空が？　そういえば

ミレイユには……

ミレイユ

あたしの心と体には、

フェニックスが

宿っているんです。

テトラ

もちろんいいよ！

じゃあミレイユちゃんから、

空の旅にご招待するね。

ペンタ

ようし、じゃあいくぞー！

ミレイユ

お兄ちゃんは後でね！

ヨシュア

……そういうんじゃ

ないんだけどな。

思い出3

キャトラ

外でご飯も、気分が変わって

いいわよね～。

テトラ

みんな、気を使ってくれて

ありがとうね。

ペンタ

ボクのことなら、

気にしなくていいのに。

キャトラ

そういえばペンちゃん、あんまり

食べないわね。育ちざかりなのに。

ペンタ

ボクらドラゴンは、そんなに

食べないでも大丈夫なんだよ。

テトラ

あたしもその気になれば、

ご飯食べないでも平気なんだよ？

キャトラ

うそ～。いつもいっぱい

たべるくせに～。

テトラ

あはは、なんたってご飯が

おいしいからね！

アイリス

わかります……！

テトラ

どうしたのアイリス？

キャトラ

いきなり張りつめた空気。

ヘレナ

みんな、外のテーブルに

ご飯運んでね。

テトラ

うわあ、このパイかわいいね！

キャトラ

サクランボのパイね。

テトラ

こういうのってどういう風に

作るのかな？

あたしもやってみたいかも。

キャトラ

パイづくりだったらヘレナに

聞いてみるといいわ。

熱心に教えてくれるわよ。

テトラ

本当？　じゃあ、帰ってきたら、

お願いしようかな？

キャトラ

ってことはテトラ、

どっかお出かけするの？

ペンタ

当たり前だろ。ボクたちは

ヒマじゃないんだぞ。

テトラ

ちょっと気がかりなことがあるの。

キャトラ

何かあったの？

テトラ

＜鉄の諸島＞ってとこで、

ドラゴンの角が競売に

かけられたんだって。

キャトラ

ドラゴンの角が？

テトラ

正規のルートで入手された

ものじゃない。＜竜狩り＞に

やられたんだと思う。

キャトラ

竜狩りっていうと、

あの悪い奴らね。

テトラ

ドラゴンの角とか鱗とかは、

人間の間ですごく価値が

あるからね……

ペンタ

だから、身の程を知らずに、

一攫千金を狙ってドラゴンを

狩る奴がいるんだろ。

テトラ

もし奴らが、今でも取引を

続けているのなら……

ペンタ

ドラゴンが狩られるだけじゃ

ないってことを、

教えてやらないとな。

思い出4

テトラ

みんなただいま！

キャトラ

お帰り、テトラにペンちゃん。

アイリス

テトラさん……竜狩りは……

テトラ

逃げられちゃった。

証拠は掴んだから御の字

だけどね。

キャトラ

残念だったわね……

あれ、どうしたのペンちゃん。

ペンタ

話しかけるな、子猫。

キャトラ

どうしたの、ペンちゃん。

ペンタ

……人間は、悪い奴らだ。

テトラ

鉄の諸島からずっとこうなの。

……あの島で、人間の悪い面を

見ちゃったからね。

ペンタ

人間にもドラゴンにも悪いヤツが

いて、いいやつもいる……

ボクにもそれくらいわかる。

ペンタ

でもあいつらは……！

テトラ

それでもあたしは人間が好き、

ドラゴンが好き。

だから両方守りたい。

ペンタ

でもボクは……ボクは……！

テトラ

オズマさんだって、人間でしょ？

ペンタ

そうだけど……

テトラ

あたしは＜竜狩り＞と戦う。

でも、レッサードラゴンに堕ちた

ドラゴンとも戦う。

テトラ

それが、あたしの……ドラゴンと

人間の間に生まれたあたしの

やるべきことだと思うからね。

ペンタ

なんだよ主人公

テトラ

えっ、なになに？

これ……パイ？

キャトラ

なぜこのタイミングでパイを！

ペンタ

そーだよ！
なんでパイなんだよー！

テトラ

みんなで食べよう！

ほら、ペンタも！

アイリス

ヘレナさん特製の

アップルパイですよ！

ペンタ

……おいしい。

アイリス

さくさくのパイ生地に、

リンゴは甘すぎず程よい酸味。

さすがヘレナさんだね。

ペンタ

……なんだよ。パイなんかで
ごまかすつもりかー！

テトラ

ごまかしてるんじゃないよ。

主人公は、

アップルパイの方が大事だって

いってるんだよ。

キャトラ

答えの出ないことを

悩むよりは、その方がいいかもね。

ペンタ

なんか……

オマエら無茶苦茶だな。

テトラ

あたしたち、もっといろいろ

経験しないとね。いろいろ知って、

成長しないと。

ペンタ

……わかってるぜ。ボクは

オズマさんを乗せる竜になるんだ！

テトラ

その意気だよ、ペンタ。

……そうだ。アップルパイの

おかげで、いいこと思いついたよ！

キャトラ

なになに？

テトラ

打ち上げだよ！
頑張った後には打ち上げしなきゃ！

思い出5

テトラ

と、いうわけで、頑張ったみんなを
ご招待しました！

オズマ

よろしくな。ハニ―たち。

まあ打ち上げといったら

オレ、だよな？

テトラ

皆さん、お疲れ様です！

バイパー

いろいろと手伝うぞ。

とりあえず燻製を作った。

カティア

私も凄～いお薬を差し入れ

しちゃうわァ～！

あ、まずこの書類にサインしてね。

アイリス

オズマさんにバイパーさん！

カティアさんも！

テトラ

忙しいのに、みんな時間空けて

来てくれたんだよ～。

ペンタ

オズマさん！　今度はボクも

冒険につれてってよ！

オズマ

ペンタ、大人の世界は、

お前にゃまだ早いぜ。

ペンタ

オトナのせかい～？

カティア

そうよ～アンタも早く

大人になりなさ～い？

というわけでこのお薬どう？

ペンタ

ゲッ、なんだその注射器は！

バイパー

お前たちは元気だな。

テトラ

バイパーさんは、元気じゃ

ないんですか？

オズマ

こいつはこれで元気なのさ。

バイパー

お前が答えるな。チョビヒゲ。

テトラ

ともかく元気が一番ですね！

ところで、セラさんは……？

バイパー

あいつは……

セラ

遅れてごめんね。

テトラ

セラさん！

ようこそ、お待ちしてました！

バイパー

いいのか。

セラ

大丈夫。みんなの笑った顔が、

見たかったしね。

ヨシュア

買い出し部隊、戻りました！

ヨシュア

あっ、カティアさま！

それに、退魔士さんたちも！

キャトラ

二人も、戻ってきたのね。

ヨシュア

また皆さんにあえて

嬉しいです！

ミレイユ

お兄ちゃん、もう涙ぐんでる。

ダグラス

ふう……ようやく着いたぜ。

まったく。

クロエ

もう、ダグラスったら。

こんなに方向音痴だったっけ？

テトラ

ダグラスさん！

ダグラス

テトラ、誘ってくれて、

ありがとな。

テトラ

こちらこそ、来てくれて

ありがとう。ダグラスさん！

ダグラス

まっすぐだねえ。あんたは。

……ところで、メアは？

テトラ

メアは、来てくれないかも。

キャトラ

メア……悩んでたみたい

だったもんね。

テトラ

メアは、『断ち切りたい』って。

だから……しばらく一人に

なりたいっていってた。

アイリス

せっかくの打ち上げなのに……

テトラ

今頃あの子……たった一人で

悩んでいるのかな……

思い出6

ペンタ

なんだこりゃー！
ルーンが、光っているのか！？

テトラ

ルーンの光だ！

……主人公。

またあたしを励ましてくれるの？

ペンタ

励ます……？
そういえば、なんか
やる気が出てきたぜ！
うおー！！

テトラ

ありがと！

主人公！

でもあたしは平気だよ？

キャトラ

テトラ、最近はこれ、

いろんなパターンがあるのよ。

アイリス

そうですね。なんか……

いろんなことが起こるっていうか。

光はどんどん強くなる！

メア

え？　ええっ？

ここどこー！？

テトラ

メアー！！

ペンタ

ええっ！？
お、おい、何が
起こったんだよー！！

メア

て、テトラ……に、

主人公！？

……ここって、飛行島！？

キャトラ

……直接連れてきちゃった。

こんなのありなの？

テトラ

あのね、メア……むりやり

連れてきちゃってなんだけど、

今から打ち上げするんだ。

メア

打ち上げ？

ええっと……ごめん、ちょっと

落ち着くから……

キャトラ

とりあえず深呼吸。

メア

そうね、キャトラ……

すう……はあ……

もう大丈夫。

テトラ

打ち上げなんて

気分じゃないかな？

メア

……ついさっきまではね。

いまは……ちょっと騒ぎたいかも！

テトラ

やったー！！
ありがとう、
主人公！！

ペンタ

主人公！
オマエすごいんだな！

キャトラ

メンバーそろったことだし、

さっそく乾杯しましょ！

…………

……

一時の宴は終わった。
テトラとペンタは、飛行島の
上空をゆっくりと飛んでいる。

ペンタ

テトラ、……楽しかったな。

テトラ

そうだね。盛り上がってよかった。

ペンタ

テトラ、ボクはまだ人間のことは

信じられない。

テトラ

でも、信じている人はいるでしょ？

ペンタ

信じている人もいる。

大好きな人もいる。

カンタンじゃないんだな。

テトラ

そうだよね。簡単じゃない。

だからあたしたちは戦うんだ。

ペンタ

……ボク、なんとなくわかった。

テトラ

何がわかったの？

ペンタ

テトラ、人も竜も両方

守りたいっていってたろ？

テトラ

……いついったかは

覚えてないけど、

今もそう思ってるよ？

ペンタ

オズマさんは、ボクらドラゴンの

ことも、何度も助けてくれた。

テトラ

そうだね。お世話になりっぱなし。

ペンタ

ボクは、オズマさんみたいな

ドラゴンになりたいんだ。

テトラ

あはははっ！！　いいじゃん！
よーし、ちょっと飛ばしてこうか！

ペンタ

いいぜ、
振り落とされるなよーっ！

ボイス

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