テツヤ・思い出

テツヤの思い出とボイス

思い出1

テツヤ

あん―――？

なんだ、てめーら。

ゴツいハンマーを担いだ

リーゼントの青年が、

じろりとにらんでくる。

テツヤ

なに見てんだコラ！　ああん！？

アイリス

あ、ごめんなさい……

キャトラ

ふんだ、ちらっと見ただけじゃん。

行こ、アイリス、

主人公。

テツヤ

ちょ、ちょっと待て！

青年が、慌てて回りこんでくる。

キャトラ

なによぉ～。

見られたくないんでしょ～？

テツヤ

あ、いや、その……どうしても俺と

話したいってんならまあ……

って、何じろじろ見てんだコラァ！

キャトラ

やっぱり見られたくないんだ？

テツヤ

じゃ、じゃなくって……

なんつーか、その―――

ええい！

テツヤ

お、俺はテツヤ！　職業は整備士！

好きな食いもんは味噌汁！

文句あっかコラァ！！

キャトラ

は？

テツヤ

じゃ、じゃあな！

おととい来やがれー！

キャトラ

……。

何アレ？

思い出2

テツヤ

よ、よう……また会ったな。

アイリス

こんにちは、テツヤさん。

テツヤ

お、おう……

って、気安く声かけてんじゃねぇ！

ナメてんのかコラァ！

キャトラ

あ～ら、ごめんなさい。

じゃあねー。

テツヤ

あ、ま、待てコラァ！

どこ行きやがる！

キャトラ

なによ～。気安く話しかけられたくないんでしょ。

テツヤ

き、気安くじゃなかったら、許す！

ガ、ガッツリ話しかけて来いや、

オラァ！

アイリス

…………

キャトラ

…………

テツヤ

ど、どうしたよ？

なんか話しかけろやオラァ！

ま、間が持たねぇじゃねーかぁ！！

キャトラ

はあ……話しかけてほしいなら、

そう言いなさいよね～。

テツヤ

は、はあ！？

そ、そんなんじゃねーし！

ホントそんなんじゃねーし！！

思い出3

アイリス

主人公、

なんだか顔色悪いよ？

だいじょうぶ？

キャトラ

そうねぇ……風邪かしら？

ちょっと休んだ方がよくない？

そこへ、怖い顔をしてきたテツヤが、

のしのしと歩いてきた。

テツヤ

おい！

主人公っつったな、

おまえ！

テツヤ

なに青白い顔で歩いてんだコラァ！

ツラ貸せやコラァ！

熱測んぞオラァ！

おでこで熱を測られた。

テツヤ

熱あんじゃねーかバカヤロー！

おまえなんかなあ、さっさと

横になって休みやがれってんだ！

アイリス

ありがとう、テツヤさん。

心配してくれてるのね。

テツヤ

ち、ちげーよ！

そんなんじゃねーし！

テツヤ

ま、前におふくろが倒れてよ……

いきなり倒れられると、その、

すげー不安になるっつーか……

キャトラ

つまり心配なんじゃん。

テツヤ

ち、ちげーっつーの！！　いきなり

倒れられるとびっくりすんだよ！

テツヤ

いいか、あったかくして頭冷やして

きちんと寝て治しやがれよ！

でなきゃブン殴るからな！！

思い出4

アイリス

テツヤさんのお母さんって、

どんな方なんですか？

テツヤ

ま、まあ……なんつーか、

うるせーおふくろだよ……

テツヤ

ちゃんと朝飯を食えだの、

寝る前に歯を磨けだの、

いまだにうるさく言ってくるし……

テツヤ

逆らうと般若みたいな顔で怒るし、

ムキムキだから、殴られたら

たまったもんじゃねーしよ……

テツヤ

でも、女でひとつで育ててくれてよ

……無茶して働いて、心配する

こっちの気にもなれってんだ。

アイリス

ふふ……心配なんですね。

テツヤ

そ、そんなことねぇーよ！！？

キャトラ

声、裏返ってんじゃん。

テツヤ

そんなことねぇーったら！

家出る前もなぁ、

俺がせっかく作ったあいつらを―――

アイリス

『あいつら』？

テツヤ

な、なんでもねぇ！

なんでもねぇーよ！！？

キャトラ

声、裏返ってるってば。

思い出5

テツヤ

ふんふんふ～ん♪

テツヤが、

こそこそと何かをいじっている。

テツヤ

やっぱ落ち着くなぁ……

テツヤ

おう、こんなもんか？

これでいいか？　立てるか？

お？　よーし、立てるな！

キャトラ

何が立ったのよぉ？

テツヤ

な、何も立ってねぇーよぉっ！！？

テツヤは裏返った声を上げ、

慌てて何かを後ろに隠した。

キャトラ

ちょっと、こら！

なに隠したのよ！

見せなさいったらぁ！

テツヤ

な、何もねぇーよぉ！！？

いや、マジでねぇって！

テツヤ

何も隠してねぇーって

言ってんだろぉぉおー！！？

思い出6

テツヤ

うわっ……！？

なんだ、この光……！

テツヤ

すげえ……こんなの見たことねえ。

．って、あれ？

テツヤの足の間から、

ゼンマイじかけの小さなロボットが

歩いてくる。

アイリス

かわいい！

これを作ってたんですか？

テツヤ

う、うぇええっ！？

ゼンマイ巻いてねーのに、

なんで動くんだ？

テツヤ

まさか、今の……

主人公の、

光のせいなのか？

アイリス

ねえ、テツヤさん。

これ、どうしたんですか？

テツヤ

あ、ああ……

クズ鉄を集めて作ったんだ。

昔からの趣味でよ……

キャトラ

よくできてるじゃないの～。

なんで隠そうとしたのよ～？

テツヤ

だ、だってよ……こんなの作ってる

なんて、さびしいヤツみてーだろ！

キャトラ

さびしくないの？

テツヤ

さびしいよ！

テツヤ

……あ。

テツヤ

ち、ちげーからな！

今のちげーからな！！

キャトラ

やっぱりさびしいんじゃな～い。

アイリス

大丈夫ですよ、テツヤさん。

みんな友達ですから、ね？

テツヤ

ち、ちげぇーって

言ってんだろぉぉぉぉおーっ！！？

ボイス

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