マリ・思い出

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マリの思い出とボイス

思い出1

マリ

…………

キャトラ

あら、新しい子ね。やっほー！

マリ

……やっほ――

マリ

――！？
猫がしゃべってる！？

キャトラ

あらあら、なんだかいまとなっては

新鮮な反応ねぇ……

マリ

そうだった、いまさらだった……

あの学校なんて、熊が学長だし……

アイリス

見学生のマリさん、ですね？

よろしくお願いします。

飛行島に歓迎しますよ♪

マリ

あ……うん……

キャトラ

……ん？

マリ

…………

アイリス

どうかしたんですか？

マリ

……ううん。なんでもない。

マリ

……ここ、ちょっと気楽かも。

キャトラ

そう？　なんか含みがあるような

気もするけど、気に入って

くれたならなによりだわ！

マリ

ん……そうね。

キャトラ

うーん、なんかある？

あるなら、言ってくれて

構わないんだけど。

マリ

ううん……

そうじゃないんだけど……

(※主人公が不思議がる)

マリ

また……ね……

キャトラ

アラ……いっちゃった……

アイリス

きっと、新しい環境で

まだ戸惑ってるんだよ。

キャトラ

そうね……あの子、

見学生ってったって、

しばらく通うわけなんだし。

キャトラ

早く茶熊学園に

馴染めるといいわね。

アイリス

そうだね。

お手伝いできることがあったら

手を貸してあげましょう。

思い出2

キャトラ

……しっかしイキナリ文化祭って、

何考えてんのかしら、

カムイのやつ？

アイリス

行事を通じてみんなに

絆を育んでもらいたい……かな？

キャトラ

わからんでもないけど、

やることが極端すぎるってーのよ。

キャトラ

……ん？

マリ

…………

キャトラ

あ、マリだ。おーい！

マリ

！！

マリ

び、びっくりした……

キャトラ

そんなに驚くことないじゃない。

マリ

驚くでしょ……

急に声かけるんだもん……

キャトラ

あんまり大きな声でも

なかったと思うけどなぁ～……？

マリ

何か用事？

アイリス

私たちとお話しませんか？

マリ

話……なんの話？

キャトラ

なんでもいい話。

マリ

なんでもいい……話……

マリ

……話題……

キャトラ

どうしたの？

マリ

……ない……

アイリス

え！？

マリ

…………

(※マリが逃げ出す)

アイリス

あっ……！

キャトラ

えっ、えっ！？　アタシ、

なんか失礼なこと言った！？

アイリス

……ううん、そんなことは

ないと思ったけど……

アイリス

あの子にとっては……

敏感な部分だったのかも……

思い出3

マリ

…………

マリ

私は、馬鹿だ……

マリ

なんでもいいなら、

なんでもいいんだ……

向こうがそう言ってるんだから。

マリ

だけど、考えるなって

言う方が無理だよ……

マリ

話が続かなかったらどうしよう。

広がらなかったらどうしよう。

退屈させたらどうしよう。

マリ

そうなったら、

選んだ話題が間違ってる

わけだから。

マリ

じゃあ何が正解なの？

どんな話をすればいいの？

マリ

この人は何に興味があるだろう？

急に怒り出したりしないかな？

傷つけちゃったりしないかな？

マリ

……色々考えると……

……何も言えなくなる……

マリ

何もしゃべれなくなる……

マリ

…………

マリ

……最初の一言が、一番難しい……

マリ

最初の一歩が、一番遠いよ……

思い出4

キャトラ

明日が文化祭とはね~。

月日が経つのは早いもんだわ~。

アイリス

キャトラ……

そんなに経ってないよ……？

キャトラ

アタシの後輩たちが

がんばってるようだし、

楽しみね~、文化祭~。

アイリス

もう……お気楽なんだから……

キャトラ

まあ、親は子を、

厳しく見守るっていう――

――あの子だわ。おーい！

マリ

……ハーイ……

キャトラ

お、返事が返ってきたわ。

マリ

元気はないんだけどね。

キャトラ

ありゃ、

自分で言っちゃダメじゃない？

マリ

だってホントにないんだもん……

アイリス

……どうかしましたか……？

マリ

…………

キャトラ

アタシたちでよければ、

何でも聞くわよ？

マリ

…………

アイリス

あっ、キャトラ……

キャトラ

しまったかしら！？

あのね、えと、えと……！

まぐろってね！

泳ぎ続けないと

やってけないらしいよ！

アイリス

(キャトラ……！

とっさに出てきたその話題……！)

キャトラ

カタツムリの歯ってね！

二千五万個あるらしいよ！

マリ

…………

キャトラ

大砲ってね！

一門二門って数えるんだって！

マリ

…………

……それは……知ってる。

割と、常識、かも。

キャトラ

お！

アイリス

へぇ、私、知らなかった！

マリさん、よく知ってますね？

マリ

私、武装学園の兵器学科だから…

キャトラ

武装学園って？

マリ

色んな戦術を教えてくれる学校。

キャトラ

どこにあるの？

マリ

けっこう遠く。

キャトラ

どのくらい生徒いるの？

マリ

けっこうたくさん。

キャトラ

……え~っと。

武装学園って、いいところ？

マリ

……そうじゃない？

キャトラ

へぇ、いいじゃんいいじゃん♪

マリ

でも……

私はうまく、いかなくて……

アイリス

…………

マリ

……ごめんね。

キャトラ

あぁ……！　うぅ……！

アイリス

落ち込まないで、キャトラ。

きっと、もう少しで……

キャトラ

うん……

思い出5

キャトラ

――いやー、一時は

どうなるかと思った

文化祭だけど――

終わり良ければすべて良しってね！

よかったよかっただわ！

おっと！　最大の功労者の登場よ！

マーリーーー！！！

マリ

ちょ、ちょっと、

そんな大きい声で呼ばないで……

キャトラ

恥ずかしがることないでしょ、

堂々としなさいな！

マリ

うん……そうだね。

私、けっこうやるでしょ？

キャトラ

やるよやるよ～♪

見直したわよ～♪

マリ

でも、二回はできないけどね♪

あはは♪

えっ！？

マリ

けっこうさ、あてずっぽうで

やったところもあるもんで。

キャトラ

もう、そうなの！？

褒めて損したかしら！？

マリ

そんなことないよ～。

運も実力のうち、

って言うじゃない？

アイリス

ふふふ……よかった……

マリさん、元気になったね……♪

マリ

私、茶熊学園に

見学に来てよかった。

今は素直にそう思うの。

前の学校を悪く言うわけじゃ

ないんだけど……さ。

新しいスタートを切れた

かんじがして、なんかさ……！

嬉しいんだ……！

キャトラ

ふむふむ、いいことじゃよ。

アイリス

（キャトラが

おばあちゃんに……！）

マリ

……これで、さ。胸を張って

武装学園に帰れる気がする。

キャトラ

えっ！？　アンタ、

帰っちゃうの！？

マリ

そりゃそうだよ。

正規の茶熊学園生じゃ

ないんだから。

キャトラ

そんな焦らなくってもさ、

もうちょっとゆっくり

していけばいいんじゃない？

マリ

……でも、文化祭まで、で、

聞いてた話だから……

キャトラ

そんなの、ちょっとくらい

どうにかなるわよ。

カムイに言っときゃいいのよ！

アイリス

それはちょっと乱暴だけど、

でも、マリさん本人の意思を

伝えることは出来ると思うわ。

マリ

……私の意思……？

アイリス

ええ。マリさんの気持ちはどう？

マリ

私の気持ち……

アイリス

そう。学校は

永遠にいられるところでは

ないけれど――

一人一人の人間の

自主性を尊重し、

育んでいく場所だから。

ちゃんと伝えれば、

思いを汲んでくれると思うわ。

マリ

私……は……

……でも、役に立てたのも、

みんなに比べれば、

ほんのちょっとで……

アイリス

そんなのはいいのよ？

マリ

だけど、見学生だから……！

武装学園に戻って、

報告する義務もあるし……！

キャトラ

義務、ね。そんなのいいのよ。

マリ

え……？

キャトラ

義務ったって絶対じゃないわ！

少しくらいゆーずー

きかえてくれるもんよ！

マリ

……うぅ……

アイリス

マリさん、聞きたいの。

あなたの口から、

どう思っているかを――

マリ

うぅ……

アイリス

大丈夫！　前を向いて！

学校も、生徒のみんなも、

あなたをわかってくれる！

勇気を出して！

マリ

……そんなの……私……

いろいろ……迷惑かけるもん……

アイリス

心配しないで……！

がんばって……！

マリ

私は……私は……！

思い出6

マリ

私……は……

…………

……もうちょっと、

茶熊学園にいたいぃ…

シャルとか、カスミさんとか、

もっと仲良くしたいよぉ……

だって、わかる？

初めて出来たんだよ、

友達とかって……

そりゃ、離れたくないよぉ……

アイリス

マリさん……

マリ

私、前の学校で、いろいろやったの。

自分では、がんばってみた

つもりだったんだけど……

なんか……ダメで……

自分より、努力してる人が

いるんだってことは、

わかってるんだけど……

でも、ダメだったから……

自信、なくなっていって……

キャトラ

うん……うん……

マリ

ごめん、急に泣いて、

急だよね……？

アイリス

そんなこと気にしないでいいのよ？

マリ

うん……ありがとう……

私、ずっと、名前で呼ばれた

ことがなくって……

ずっとアダ名とかで……

だから、ここに来て……

シャルに呼ばれたときに、

……『ああ、』って……

ここに私がいるんだな、って、

初めて、感じられたから……

もう少し、茶熊学園にいたいよ……

もうちょっと、みんなといたい……

アイリス

マリさん……

よくがんばったわ……

キャトラ

……そうね。

その強い気持ちがあれば……

うまくいくに決まってるわ！

マリ

え……！

アイリス

行きましょう！

マリ

え……まさか、いまから……？

キャトラ

もちろんよ！

アタシたちも、一緒に

お願いしてあげるから！

――それから、
キミたちは、
茶熊学園へと出向き――

――みんなでマリの意思を告げた。

――そして――

生徒たち

おはよー。

いつもと変わらぬ、
朝の登校風景。

そこには――

マリ

みんな、おはよー！

――今日も一日、よろしくね――！

ボイス

関連キャラ

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