リヴェータ・思い出
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思い出1
地面に鞭が叩きつけられる。
地面には鞭の跡が「くっきりと
残された。
リヴェータ
ここから先は私の領域。
ちょっとでも踏み込んだら
痛い目にあってもらうから。
キャトラ
いきなり何なのよアンタ！
リヴェータ
アンタらと慣れ合うつもりはないわ。
だから私に関わらないで。
アイリス
そういうわけには……
だって私たち、これから同じ島の仲間として……
アイリス
きゃっ！
キャトラ
危ないじゃない！
リヴェータ
いい？
私に命令とかお願いとかしないで。
キャトラ
この島はアンタだけのものじゃないの！
勝手にしないで！
リヴェータ
私に、関わるな。
キャトラ
もう何なのよ！
アイリス
でも……お名前だけでも聞かせてもらえないと……
リヴェータ
……リヴェータよ。
アイリス
リヴェータさんですね。
よろしくお願いします。
リヴェータ
……アンタ、私の話聞いてなかったの？
調子狂うわ……
思い出2
リヴェータ
全く！何なのよこの島の住人は！
アイリス
リヴェータさん、どうかしました？
キャトラ
アイリス……
関わらない方がいいんじゃ……
リヴェータ
こっち来んなって言ってんのに
なんで近寄ってくんのよ！
キャトラ
だからアンタだけの島じゃないって言ってるでしょ！
リヴェータ
ンなこと知ったこっちゃないわ。
……っていうか、何？
叩いて喜ぶ変な奴に会ったんだけど、
ここってそういう島なわけ？
キャトラ
『そういう島』って何よ！？
リヴェータ
じゃあどういう事なのよ！
あーもーいや、帰りたい、すぐ！
今すぐ！
キャトラ
そこまで言うなら帰ったらいいじゃない！
リヴェータ
帰れるもんならもうとっくに帰ってるわ！
アイリス
帰る方法、見つかるといいですね。
リヴェータ
やだもー帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい！
一人にして！
キャトラ
もーうるさい！
アイリス
力にはなれないかもしれないけど、
何かあったら遠慮なく言ってくださいね？
リヴェータ
はいはいはい、
もうそういうのいいから。
思い出3
キャトラ
――！
アイリス！ リヴェータが！
アイリス
どうしたんですか！？
そんなにボロボロに……
まずは怪我の治療を！
リヴェータ
いらないから放っておいて！
アイリス
でも……
リヴェータ
優しくすりゃ誰でもホイホイ
アンタになびくと思わないでくれない？
キャトラ
ちょっと！
アイリスが心配しているのに
その言い方はないんじゃないの！？
アイリス
……いいのよ、キャトラ。
でも……何かあったんですか？
リヴェータ
……黒い鎧の騎士にやられたの！
あいつ……強くて……
キャトラ
へぇーアンタ、エラそうな割に
大したことないのね～。
リヴェータ
うるさい！ うるさ……ぐすっ、
うう、ああーー！ チクショウ！
負けた！ また負けたぁ～！！
やだぁーーー！
アイリス
リ、リヴェータさん？！
こらキャトラ、言い過ぎよ！
キャトラ
ご、ごめん……泣くとは
思ってなかったから……
リヴェータ
ぐすっ、ひっく、チクショウ……
絶対、絶対次は負けない。
次負けたらこっから
飛び降りてやる。
キャトラ
いや、飛び降りるのは
やめときなよ……
アイリス
……強くなりましょう！
リヴェータさんならきっと、
もっと強くなれます！
リヴェータ
……負けた以上、次は勝つ。
キャトラ
立ち直り早い！
リヴェータ
そのためにはなりふり構ってらんないし、
元の世界に戻った時、
成長してない私は見せらんないわ。
リヴェータ
訓練よ。付き合いなさい、
主人公。
キャトラ
ちょ、ちょっと待って！
アンタふらふらじゃない！
アイリス
まずは治療を！
リヴェータ
そんなのいらない！
私は……強くなる！
思い出4
リヴェータ
はあっ！
キャトラ
あれからずっと訓練ばっかり
してるのよね、リヴェータ。
アイリス
リヴェータさん、そろそろ
休憩にしませんか？
お昼ご飯持ってきましたよ。
リヴェータ
放っといて。
そんな暇ないって前にも――
アイリス
休むのも訓練のうち、ですよ？
リヴェータ
あ―はいはい、
わかりましたわかりました！
キャトラ
こっちこっち！
見晴らしのいいところにしよ！
アイリス
キャトラ、そんなに端に行くと
落ちちゃうよ！
リヴェータ
すご……！
この島ホントに飛んでんのね……
キャトラ
いい眺めでしょ？
リヴェータ
うん。びっくりした。
おお―……雲大きい……！
キャトラ
あら、何だか嬉しそうね？
リヴェータ
そ、そんなことないわよ！？
キャトラ
もう、無理しちゃって―。
アイリス
あ、そうそうご飯ね。
おにぎり作ってきました。
はいどうぞ、リヴェータさん。
リヴェータ
これ……お米？
なんでこんな形に……
ん、お―……！！
アイリス
おいしいですか？
うふふ、そんなに喜んでもらえると
嬉しいです。
リヴェータ
いや、べ、別に
喜んでないけど。
味も普通だし。
キャトラ
おいしいです、って顔に書いて
あるわよ。
リヴェータ
もう……
そういうのいいから……！
キャトラ
かわいいところあるのね～。
思い出5
リヴェータ
――この程度で……
負けてらんないの――よっ！
リヴェータ
勝っ……た……？
アイリス
主人公！
リヴェータさん！大丈夫？
キャトラ
主人公に勝つとは
なかなか成長したわね。
リヴェータ
アッハハハ！ やっぱり私、
そこそこ強いんじゃない！
キャトラ
意外と謙虚ね……
リヴェータ
ねえジミー見てた！？
今の、私の……技……
リヴェータ
……そうだった。
私、今、一人だっけ。
馬鹿みたい、はしゃいじゃってさ。
ホント馬鹿みたい……
褒めても貰えないのに、
一人で頑張って……
リヴェータ
ジミー……みんな……
アイリス
リヴェータさん……
今までずっと、仲間のために
戦ってきたんですね……
リヴェータ
ぐすっ、うるさい……
放っといてよ……どうせ、
今の私は一人なんだから……
思い出6
リヴェータ
――この光は……何……？
これは……みんな……
近くにいるの……？
アイリス
これは主人公の
ルーンの光。
リヴェータ
ルーン……？
この世界には、こんな力が……？
アイリス
残念ながら、リヴェータさんの
世界にいた仲間の皆さんは
ここにはいません。
リヴェータ
そんなの……わかってるわ……
アイリス
でも、離れていても仲間なのは
変わらないと思います。
キャトラ
アンタの仲間との絆ってこの世界に
いたらなくなるような
軽いもんじゃないんでしょ？
リヴェータ
……そうよ！
会えなくても仲間は心の中にいる。
待ってる仲間のために
泣いてなんかいられない！
キャトラ
それに、アンタまだやることが
あるでしょ？
リヴェータ
アッハハハ！ そうね！
あの女との決着もまだだったわ！
リヴェータ
今よりももっと強くなって、
胸を張って元の世界に帰るんだ！
アイリス
お手伝いできる事があったら、
何でも言ってくださいね。
リヴェータ
だからそういうのいいから！
でも……ありがとう。
キャトラ
あっ！ 今リヴェータが
『ありがとう』って言った！
リヴェータ
い、言ってない！
言っちゃ悪いの！
キャトラ
ホント素直じゃないのね～。
リヴェータ
お、おほん！
ひとまず、もうしばらく
世話になるわ。
私には……まだ力が足りない！
アイリス
またおにぎり用意して応援にいきますね。
リヴェータ
そ、それは別に頼んでないから！
キャトラ
遠慮しなくていいのに～。
リヴェータ
……
リヴェータ
次は負けるわけにはいかない。
次こそ勝って――否、勝てるまで
挑戦し続けてやる！
