温泉版ゼロキス・思い出

温泉版ゼロキスの思い出とボイス

思い出1

ゼロキス

えっと……働く女性が選んだ

好感度ナンバーワンの

帽子はかぶったし……

ゼロキス

肉食系女子オススメの上着も

フィットしているし……

ゼロキス

今年のトレンドのマントは

洗濯しすぎて

色あせちゃったけど……まあいい。

ゼロキス

セレブ俳優が愛用していた

ズボンは……おっと、

チャックが全開だった。

ゼロキス

ははっ、さすがは

花の都の製品ブランドだ。

腰を抜かしそうだぜ。

ゼロキス

さーて、

タロットカードの占いはっと……

うん、ふやふやで何もわからない。

川に落としたからね。

ゼロキス

ドンウォーリー、ウォーリー。
今の俺に死角はない。
完璧だ！

ゼロキス

今宵もこの
恋愛マスターゼロキス様が、
純愛台風の目になってやるぜ～！

アイリス

ゼロキスさん、こんにちは。

ゼロキス

こっこここここここっ！

アイリス

？

ゼロキス

ア、アア、アーイアイアイ、

アイリスさん。

ど、どどどうですかこれから一緒に

ラベンダー畑に……

アイリス

あ、ごめんなさい。これから

ヘレナさんと買い物へ行くんです。

ゼロキス

なーんですってえええ！！

キャトラ

おっ、やってるやってる。

相変わらずゼロキスは

遠くから見つけやすいわね。

ゼロキス

ね、猫！？　不吉だ！

キャトラ

だからなんで
アタシが来るとそうなるのよ！

ゼロキス

けど、占いはもう捨てたのさ！

キャトラ

あっそ。

ゼロキス

しかしなぜなんだ……

このコーディネートで

恋に落ちないだなんて……

キャトラ

そんな素肌が見えた服……

カッコイイと思ってるの？

ゼロキス

えっ？

だって、雑誌にそう書いて……

キャトラ

でも現実は？

ゼロキス

それは……

アイリス

……？

ゼロキス

そっかそっか……試着室のときから

半分気づいてはいたんだよ……

……高かったのになぁ……

キャトラ

さあ、ごいっしょに。

ゼロキス

今日はもうダメだ！

キャトラ

やっぱりアンタはアンタのままね。

思い出2

ゼロキス

ふぁ～！　ひほふひほふ～！

アピュト

キキキ……そうよ、ゼロキスくん！
朝はパン！　パンなのよ！

アピュト

そしてそのまま曲がり角で

アイリスちゃんにぶつかれば……！

ゼロキス

はいひふふぁ～ん！

カスミ

アイリスはいる？

頼まれてたアロマを

持ってきたんだけど――

ゼロキス

！？

カスミ

いたたたた……

ゼロキス

カカ、カスミすわん！？
ごご、ごめんなさい！
だだだ大丈夫ですか！？

カスミ

ゼロゼロキッスくん……？

いったいなんの真似よ……

ゼロキス

あ、あの、これには事情が……

アピュト

もう！　なんなのよあなた！
私のプランを邪魔しないでよね！

カスミ

はあ？

アピュト

ゼロキスくんもゼロキスくんよ！
あのくらいサッとかわしなさいよ！

ゼロキス

む、無茶言うなよ～……

アピュト

反射神経がないの！？
どんくさい男は恋愛の対象外よ！

ゼロキス

そこまで言う～？

カスミ

……へぇ～……

あなたたち、仲が良いのね。

アピュト

とーぜんよ。私とゼロキスくんは

幼馴染なんだから。

アピュト

一緒に、お、お風呂で背中を

流した仲だし……

ゼロキス

拾った犬のね……

カスミ

ふーん……ゼロゼロキッスくんも

犬が好きなんだ。

アピュト

ああっ！？　今、

さりげなくアピールしたわね！

それにゼロゼロキッスってなに？

愛称？

カスミ

……なんのこと？

ゼロゼロキッスくんは

ゼロゼロキッスくんでしょ？

ゼロキス

アピュト、これには、

深……くもないけど、

わけがあって……

アピュト

なにその意味深発言……！

キィィ……私が見てないところで、

ときめきピュアな恋の話が……！

アピュト

詳しく教えなさーい！

カスミ

ゼロゼロキッスくん、

この子、どうしてこんなに

興奮してるのよ？

ゼロキス

あの、その、それは……

カスミ

歯切れが悪いわね……
はっきり言いなさいよ！

ゼロキス

あう、あう、あう……

キャトラ

ふむふむ。

これは修羅場というやつですな。

アピュト

ゼロキスくん！

カスミ

ゼロゼロキッスくん！

ゼロキス

えっと……これはもうアレだな……

結局のところアレだ……

ゼロキス

今日はもうダメだ！

アピュト

キィイイイ！　待ちなさーい！

カスミ

……なんだったのかしら？

ヘンなひとたち……

カスミ

で、アイリスは？

キャトラ

いまいないよ。

思い出3

ゼロキス

付き合ってくださぁぁぁーい！

ゼロキスの放った
ハート型の銃弾は、
岩にぶつかる直前で
真っ二つに分かれた。

ゼロキス

くっそ～、またはずした……
というか弾のほうから避けた！

アピュト

はあ……これで100回連続失敗。

夢魔の一族なら必中させて

当然なんだけどね……

ゼロキス

そんなこと言われても……

銃は初体験だし……

アピュト

弓は使ってたじゃない。

ゼロキス

微妙に違うんだよ。

手触りとか重さとかさ。

アピュト

頼りないわねぇ……

そんなんで夢魔って名乗れるの？

ゼロキス

そうなんだから仕方ないだろ。

アピュト

なんだかねぇ……

ちょっと疑わしくなって

きちゃうわよ……

リーゼロッテ

…………………………

アピュト

あ。

クマロン

良い天気だな、リーゼロッテ。

こんな日には、針の山でも

散策したいものだ。

リーゼロッテ

……！

クマロン

うぐっ！？

そ、そう強く挟まずとも……

吾輩、落ちぬぞ……

ゼロキス

リーゼロッテちゃんだ。

アピュト

ちょうどいいわ。

リーゼちゃんのハートを

撃ち抜いてみなさい。

ゼロキス

えぇっ！？

アピュト

そんなことも

出来なくなっちゃったの？

ゼロキス

だってそれは……

本人の許可なしでやっちゃ

まずいヤツなんじゃないか……

アピュト

キィィィ！　それをやるのが
夢魔でしょーが！
早く！行っちゃうわよ！

ゼロキス

えーい！　ヤケクソだぁ！
ごめんよリーゼロッテちゃーん！

ゼロキス

第一印象から決めてましたぁーっ！

クマロン

――ぬ！？

リーゼロッテ

マカロンアーマー。

クマロン

うぎゃあああああ！
吾輩は、クマロンだぁ～！

ゼロキス

あっ！？

クマロン

…………

アピュト

……この場合の……

……どうなるの！？

クマロン

……そこのインキュバスの男よ――

ゼロキス

うひぃ！？

クマロン

吾輩の想い――

受け取ってはくれぬ――

リーゼロッテ

…………………………

アピュト

あっ……！

クマロン

ぬおぉぉぉ……

なぜだ、リーゼロッテ……

どうして二人の仲を裂くのだ……

リーゼロッテ

………ちゃ……ばん……だから……

クマロン

うおぉぉぉぉぉぉ……――

アピュト

行っちゃった……

いいのかな、あのままで……

ゼロキス

すぐに術は解けるさ。

ともかく、リーゼロッテちゃん……

ゼロキス

ナイス……！

思い出4

アピュト

――こないだは

わけわかんなく

なっちゃったけど――

キャトラ

ふむふむ。

アピュト

ゼロキスくんの射撃訓練を
再開するわ！

キャトラ

するわするわー！

ゼロキス

えぇっ！？　猫がいるんだけど！？

キャトラ

いたら何よ！？

ゼロキス

縁起悪いなぁ、って……

アピュト

それよ！

アピュト

その縁起の悪い猫を――

アピュト

撃ち抜くのよ！　恋の弾丸で！

キャトラ

ぎ、ぎにゃっ！？

アピュト

猫は俊敏な生き物……

当てるには相当の技術が必要だわ。

それに――

アピュト

――猫の克服にもつながるし、
まさに一石二鳥よ！

ゼロキス

……僕は以前、

キャトラさんに心を奪われた

こともある――

ゼロキス

それが実るとすれば、
二鳥どころじゃない！　三鳥だ！

アピュト

初めて聞いたんだけど！

キャトラ

ぎ、ぎにゃー！！

ゼロキス

悪く思わないでくれキャトラさん！
仕方ない！
恋に犠牲はつきものなんだ！

ゼロキス

キミの心へ、届け僕のレインボー！

ゼロキス

付き合ってくださあぁぁぁーン！！

キャトラ

ぎ、ぎにゃぁぁぁぁー！！！

その瞬間――目撃した！

跳び上がったキャトラが、
空中で複雑に身をよじり――

降り注いだ弾丸の、
全てを紙一重で避けた様を――！

キャトラ

…………

ゼロキス

なっ……！

ゼロキス

なんでぇ～～～～～！？！？

ゼロキス

今日はもうダメだぁ～～～！！！

アピュト

あっ、ゼロキスくん！

キャトラ

……ぎにゃぁ♪

……キャトラは底知れない猫だ……

思い出5

ゼロキス

僕はダメだ……

ホントにダメだ……

アピュト

……あれは、キャトラちゃんが

すごかっただけだよ？

ゼロキス

それを差し引いたとしても、

総合力でも猫以下だ……

アピュト

どんだけよ……

ゼロキス

――呼び出されて、

契約して、恋の悪魔として

これまでやってきたけど――

ゼロキス

こんなんじゃダメだ……

アピュト

……そうね。スタートからして、

契約者の魔女に

恋しちゃうとか、もうね……

ゼロキス

あああああああ！
僕はなんてダメなんだぁぁぁぁ！

アピュト

ダメで元々よ！

少しずつがんばればいいじゃない！

ゼロキス

そう思ってやってきたけど、
そもそも、最近は
アイリスさんにも会ってないし！

アピュト

…………

ゼロキス

ダメだ……

モチベーションも上がらない……

ゼロキス

前はもうちょっと、こう、なんか、

普通に暮らしてるだけでも、

ちょこちょこアイリスさんに

出会えてたけど……

ゼロキス

なんか、最近アレだ、

張り合いもないよ……

アピュト

あなたねぇ……！

ゼロキス

欲を言えば、同じ職場に

アイリスさんがいて、

毎日会えるくらいじゃないと、

がんばれないんだよ……

ゼロキス

そういう小さな楽しみが、

かすかな希望につながって、

色々妄想も出来るんだもん……

アピュト

ふざけたこと言うんじゃないわよ！

ゼロキス

そんなもんだよ実際？

アピュト

……あたしが甘かったわ……！

この手だけは、

使いたくなかったけど……！

アピュト

ゼロキスくん！

ゼロキス

声大きいよ～。

アピュト

主人公くんに

来てもらったわ！

アピュト

彼の力で……

男になりなさい！

ゼロキス

え？　あの光？
いいよ、早く早く！
早く僕を理想のイケメンに
しておくれよ！

思い出6

ゼロキス

やった！　これで僕の

弱い心は消えて、

完璧なナイスガイに……！

？？？

喝―――――――っ！！！

ゼロキス

へ！？

ゼロキス

こ、ここは……

？？？

ゼロキスよ……

ゼロキス

その声は……ベンケイさん！？
なんなんだよ！　人の精神に
勝手に入ってこないでよっ！

ベンケイ

汝、欲深き者よ……

そなたに、この言葉を

授けましょう……

ゼロキス

ふん、説法かい？
そんなもの、僕には響かないぜ！

ベンケイ

モテようとする奴が一番モテねぇ。

ゼロキス

なっ――！？

ゼロキス

なぁぁぁんだぁぁってぇぇぇ……！

ゼロキス

――ハッ！？
……いま、のは……？

アピュト

…………

ゼロキス

僕はまた、自分の精神世界に……

それにしても――嗚呼！

ゼロキス

なんて恐ろしい言葉なんだ……！

そうか……あれが

真理だったのか……！

ゼロキス

……目が覚めたよ、アピュト。

アピュト

……本当に？

ゼロキス

ああ……！　僕は知った……！

自分の最大の欠点を……！

ゼロキス

僕はもう――
――これまでの僕じゃない！

アピュト

……ふん。信じても良さそうね。

ゼロキス

もちろんだとも！

アピュト

――それで、

これからはどうするの？

ゼロキス

へ？　これから？

アピュト

そう。これから。

ゼロキス

それは……

ゼロキス

なあ、主人公。

もう一回光ってくれないかい？

アピュト

ゼ～ロ～キ～ス～く～ん～？

ゼロキス

あっ！　そうか！
ベンケイさんに聞きに行けば
いいんだ！

ゼロキス

あの人アレだけど……

ま……ガマンするっきゃ

ないかぁ……

ゼロキス

じゃあ行ってくる！

アピュト

ちょっとぉ！
待ちなさ～い！

――こうしてゼロキスは、
ようやく一皮むけた――

――のか……？

ボイス

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